研究概要 |
1.1/3オクターブフィルター,アンチェリアスフィルター,パーソナルコンピュータ,A/D,D/A変換ボード,DATデッキから構成される開鼻声の定量的評価システムを開発した。同システムを用いてコンデンサーマイクロフォンにより採取した音声信号を1/3オクターブ分析し,デジタル化してコンピュータシステムに取り込み,1/3オクターブスペクトル,と時間波形を描出することが可能となった。 2.開鼻声の定量的評価システムを口蓋裂,口腔腫瘍患者に対して臨床応用し,音声資料採取および開鼻声の程度を評価した。 3.開鼻声の特徴は一般的に第1,第2フォルマント間のレベル上昇,第2フォルマント以上の帯域のレベルの下降であった。 4.得られた臨床応用の結果に基づいてシステムの改良を加えている。 5.詳細な音声分析を行うため,パワースペクトル,ケプストラム,ケプストラムの3次元表示を算出するソフトウェアを開発中である。 6.携帯可能な開鼻声の定量的評価システムについては現在試作中である。 7.3次元CT画像を用いて口腔癌患者の術前,術後/i/発音時の声道形態を観察し,声道断面積関数を算出した。現在,声道断面積関数と音声のスペクトル変化との関係について検討中である。
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