研究課題/領域番号 |
04557092
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 廣 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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研究分担者 |
片岡 竜太 昭和大学, 歯学部, 助手 (20214322)
萩原 敏之 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70228394)
舟久保 太 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50005055)
石橋 利文 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (30014195)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 開鼻声 / 定量的評価 / オクターブ / 口蓋裂 / 上顎切除 / 聴覚印象 / 音響分析 / 共鳴異常 |
研究概要 |
口腔領域の疾患あるいはその後遺症によって生じる言語障害のうち、共鳴の異常である開鼻声は高頻度に出現し、発語の明瞭性を著しく低下させるため、臨床上最も重要なものであるが、開鼻声の音響学的な定量的評価法は確立されておらず、医師や言語治療士の聴覚印象に頼っているのが現状である。そのため、客観性、再現性に乏しく、診断や治療において大きな妨げになっている。本研究は音響学的に開鼻声を定量的に評価するシステム機器を開発することを目的として行われ、次の成果が得られた。 1.システム機器の改良を重ね、臨床応用が容易な機器として、コンデンサーマイクロフォンにより採取した音声信号をバンドパスフィルターにより1/3オクターブ分析してマイクロコンピュータに取り込み、1/3オクターブスベクトルを瞬時にデイスプレイ表示するシステムを開発した。 2.臨床的に開鼻声が問題となっている疾患である口蓋裂と上顎悪性腫瘍切除患者を対象として、本システムにより音声の周波数分析を行ったところ、第1フォルマントと第2フォルマント間の周波数帯域のレベルの上昇と第2、3フォルマントを含む周波数帯域のレベル下降が開鼻声の音響学的特徴であることが判明した。 3.本システムによる開鼻声の定量的評価と経験豊富な言語治療士による開鼻声の聴覚判定とを重回帰分析を用いて比較検討した結果、両者間には高い相関が得られ、本システムの有用性が認められた。 今後、画像診断により声道断面積を算出し、声道断面積と音声スペクトルの変化との関係について検討を加える計画である。
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