研究課題/領域番号 |
04557095
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 敏比古 九州大学, 歯学部, 教授 (10037541)
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研究分担者 |
中野 善夫 九州大学, 歯学部, 助手 (80253459)
於保 孝彦 九州大学, 歯学部, 講師 (50160940)
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キーワード | 齲蝕 / Streptococcus mutans / 定着因子 / タンパク質抗原 / グルコシルトランスフェラーゼ / 融合タンパク質 |
研究概要 |
Streptococcus mutansが齲蝕の誘発する第一のステップは、同菌の歯面への付着である。このS.mutansの付着には2つのメカニズムが考えられている。すなわち、スクロース非依存性付着とスクロース依存性付着のメカニズムである。前者には菌体表層タンパク質抗原(PAc)、後者にはグルカン合成酵素(GTF)が重要であると考えられている。そこで、本年度はPAcとGTF-Iという定着因子の機能領域からなる融合タンパク質を遺伝子工学的手法を用いて作成し、このタンパク質に対する抗体が両定着因子の機能に及ぼす影響について検討した。すなわち、PAcのA-リピートに対応するpac-A遺伝子とGTF-Iのスクロース結合領域に対応するgtfB-SB遺伝子をPCR法にて増幅したあと、連結した。この遺伝子をpTrc99Aプラスミドに組み込み、組換えプラスミドpFPG22を得た。同プラスミドでE.coliXL1-blue株を形質転換し、PAcとGTF-Iの融合タンパク質を発現させた。同融合タンパク質はウサギ抗PAc血清と抗GTF-I血清と強く反応した。この融合タンパク質でウサギを経皮免疫したところ、PAcとGTF-Iに対する高い抗体価が誘導された。ウサギ抗融合タンパク質血清は、GTF-Iによるグルカン合成を阻害した。このことから、本年度において開発された定着因子融合タンパク質は齲蝕の免疫学的予防に有用であることが示唆された。
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