研究課題/領域番号 |
04557102
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮崎 元一 金沢大学, 薬学部, 教授 (50009164)
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研究分担者 |
西村 雅之 島津製作所, 分析事業本部, 研究員
山本 敦 富山県衛生研究所, 化学部, 主任研究員
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 助教授 (40115267)
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キーワード | 間接吸光度検出イオンクロマトグラフィー / 濃縮 / 多塩基酸溶離液 / コンピュータシュミレーション / 偏光吸光度検出法 / 偏光子 / イオン性化合物 / 光学活性物質 |
研究概要 |
[1]間接吸光度検出イオンクロマトグラフイーの高性能化に関する研究:濃縮カラム、分析カラム及び2つの流路切り替えバルブを用いて、カラムスイッチングシステムによる無機陰イオン及び有機酸の自動濃縮分析法を確立した。溶離液として種々の芳香族カルボン酸塩及び芳香族スルホン酸塩を比較検討した結果、前者はシステムピークが妨害を生じ、後者のうち高感度分析の目的から汎用されているジスルホン酸類は目的成分の漏出が生じた。これに対してp-トルエンスルホン酸等のモノスルホン酸ナトリウムはこれらの問題がなく高感度分析が可能になった。その結果、数十ml以上の試料量を用いればpptレベルの上記成分の同時定量分析が可能になった。 [2]イオンクロマトグラフィーの分離検出理論に関する研究:間接吸光度検出陰イオンクロマトグラフィーにおいて、既に報告した安息香酸等の一塩基酸溶離液系に加えて、今回フタル酸等の多塩基酸溶離液系における試料陰イオンと溶離剤の挙動についてのコンピュータシュミレーション解析を行い、試料イオンの保持比とピーク強度に関する理論式を誘導した。この理論式は、電気伝導度検出方式にも適用が可能であり、これにより従来のイオンクロマトグラフィーでは経験に頼らざるを得なかった最適分離条件を予め理論的に設定できる道を開いた。 [3]偏光吸光度検出法に関する研究:本検出法において、光学活性物質による偏光面の回転角と吸光度変化量の関係に関する理論式を誘導した。この式による理論値と試作器による実測値とが完全に一致することより、本検出器の性能に関する考察を理論式を用いて行うことが可能になった。また検出感度は試作器の光源、偏光子、セルを改良すると、従来のファラディー方式の旋光計より数段優れる見通しが得られた。
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