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1993 年度 研究成果報告書概要

リグニン類のエイズ治療薬としての臨床治験に向けての投与法、毒性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 04557110
研究種目

試験研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

川添 豊  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80106252)

研究分担者 紺野 邦夫  城南総合病院, 院長
鈴木 日出夫  東亜合成化学工業(株), つくば研究所, 所長 (50013321)
高橋 和彦  名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (40117833)
研究期間 (年度) 1992 – 1993
キーワードリグニン / エイズ治療薬 / HIV / 合成リグニン
研究概要

「目的」リグニン類のエイズ治療薬としての可能性を確立する事を目的として、quasi-in-vivoとでも言うべきassay法を採用し検討した。即ち、動物モデルの確立していないエイズ薬選別には、一般に、細胞レベルの効力判定にたよっているのが現状である。多くの候補リグニン類の中から、今回は、p-coumaric acidの脱水素重合体(DHP-pCA)を選び検討を行った。
「結果と考察」合成リグニンをマウスに静脈内投与し、経時的に血清を採取してその抗HIV活性を測定したところ、投与直後から5時間にわたって、血中に有効な抗HIV活性が持続し、その活性は時間依存的に減衰し24時間後には消失することが明かとなった。これによりリグニンが抗HIV薬として非常に有望であることが示された。また、その活性本体は血清の熱処理によって消失しないことも明かとなった。おそらく、投与されたリグニンは生体成分によって不活性化されることなく10時間程度は有効濃度が維持されるものと考えられる。経口投与では、静脈内投与に比べ有効性は低いが、効果を発現していることも示された。これらの検討の過程で、合成リグニンの静脈内投与後15分から30分の間、血清中に細胞毒性因子が誘導されることが明かとなった。しかし、この因子は抗HIV活性本体とは異なるものである。この毒性は一過性のものであり、治療上支障があるとは考えられない。事実、マウスに対して、100mg/kg以上の連続投与によっても何等の毒性も検出されない。合成リグニンとしてp-クマ-ル酸、フェルラ酸、カフェー酸の重合体を用いて検討を行ったところ、毒性に関しては、フェルラ酸を前駆体をする合成リグニンが最も優れていることが判明した。今後、本格的な毒性試験を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hideki Nakashima: "Liginified materials as medicinal resources.V.anti-HIV activity of some synthetic lignins." Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 40. 2102-2105 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Naoaki Shimizu: "Lignified materials as medicinal resources.VI.Anti-HIV activity of dehydrogenation polymer of p-coumaric acid,a synthetic lignin,in a quasi-in-vivo assay system as an intermediary step to clinical trials." Biological and Pharmaceutical Bulletin. 16. 434-436 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 麻野間正晴: "医薬品資源としての研究(第7報)Ames法による関連化合物の安全性確認と抗変異原活性" 変異原試験. 2. 239-245 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] H.Nakashima, T.Murakami, N.Yamamoto, T.Naoe, Y.Kawazoe, K.Konno, H.Sakagami: "Liginified materials as medicinal resources. V.anti-HIV activity of some synthetic lignins." Chem.Pharm.Bull.40. 2102-2105 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] N.Shimizu, T.Naoe, Y.Kawazoe, H.Sakagami, H.Nakashima, T.Murakami, N.Yamamoto: "Liginified materials as medicinal resources. VI.Anti-HIV activity of dehydrogenation polymer of p-coumaric acid, a synthetic lignin, in a quasi-in-vivo assay system as an intermediary step to clinical trials." Biol.Pharm.Bull.16. 434-436 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1995-03-27  

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