高感度三次元蛍光ストップドフロー装置の開発に関して、イメージセンサー、イメジインテンシファイアーを用いた検出装置の組み立て、電気回路の製作を含め、高感度マルチチャンネル測光装置の製作を完了した。一方、ケイ光測定用試料混合装置の試作を行い、両者を組み合わせた測定系で、pH指示蛍光試薬であるpyranine(10-7M)の蛍光スペクトルを10ミリ秒の時間領域で測定することに成功した。この結果から、イメジインテンシファイアーを用いても蛍光の増幅に限界があることが判明したので、1〜10ミリ秒の時間領域では、反応液混合後から連続可変の遅延時間をおいて、フラッシュランプ励起および蛍光スペクトルを記録する方式の導入を決定した。励起用キセノンフラッシュランプとして浜松ホトニクス、L4633を撰定。これはパルス幅1μs集光タイプで、反射ミラーを備えている。従って原理的には遅延回路は1μsの時間分解能をもちうる。すでにこの部分はダブルフラッシュ分光装置に組み入れて、正常に作動することを確認している。測定装置の制御、データ収集、データ処理を行うために初期計画の64本連続記録をさらに拡張し、C言語によるソフトを作成し、連続512本のスペクトルの記録、解析を可能にするようにした。従って大量のデータの保存に光磁気ディスクを導入した。特に、スペクトルデータの三次元表示ワイアーフレーム表示)、等高線表示に関しては複数のソフトを組み合わせて処理方式を完成し、すでに実用化している。
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