研究課題/領域番号 |
04557115
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 裕 大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20127252)
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研究分担者 |
増山 理 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
田内 潤 大阪大学, 医学部, 助手 (20197544)
井上 通敏 大阪大学, 医学部・附属病院, 教授 (30028401)
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キーワード | 心臓超音波法 / テクスチャー・トラッキング / 画像処理 |
研究概要 |
今年度は超音波断層像の動画を解析することにより、心拍動に伴う左心室壁の動きを定量的に計測することについて検討した。 健常成人を対象に、経胸壁的に胸骨傍左室短軸像を描出し超音波断層象を記録した。超音波像の記録には3.5MHzセクタ型探触子を用い毎秒96フレームのフレームレートで行った。記録された超音波断層像に対して、左室中隔像上に関心領域を設定しワークステーション上で同領域の動きの追跡を行なった。追跡はフレームごとに関心領域内の輝度分布の相互相関値を求め、最も相互相関値の高い部位を対応部位として、対応部位から対応部位へ順次関心領域の追跡を行うアルゴリズムを用いた。 通常の超音波診断装置のフレームレートである毎秒30フレームでは相互相関値が低く上記アルゴリズムの適応は不可能であったが、毎秒96フレームでは相互相関値の平均値は0.89であり、本手法で関心領域の追跡が可能であった。 本手法の精度を検討するため、用手的に求めた関心領域変位量との相関を求めたところ、水平方向の変位についてはr=0.92垂直方向についてはr=0.93の良好な相関が認められ、一次回帰残差の標準偏差は水平方向2.0mm、垂直1.4mmであった。 今年度の研究成果として、輝度分布の相互相関値を用いるアルゴリズムを超音波断層像に適用することにより、心室壁の心筋収縮による動きを自動的にかつ定量的に計測することができた。今後さらにアルゴリズムの改良により、適応画像の拡大、精度の向上を行うことによって、臨床医学において非侵襲的な心室機能の評価手段として応用することを予定している。
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