| 研究課題/領域番号 |
04557120
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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| 研究分担者 |
北村 佳久 京都薬科大学, 助教授 (60195295)
岡田 文彦 北海道大学, 保健管理センター, 助教授 (40109517)
徳光 幸子 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60001046)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
菊地 徹 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40025680)
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| キーワード | 老化促進モデルマウス / 記憶障害 / 老化 / 神経化学 / 脳内機序 / 予防治療薬 / 薬効評価 |
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| 研究概要 |
老化促進モデルマウス(senescence accelerated mouse,SAM)のP8系は加速的老化症状とともに記憶障害を示す。今回SAMの加齢に伴う記憶障害の神経化学的機序を解明するための検討を行い、以下の点を明らかにできた。1)P8系海馬においてNMDA受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、セロトニン5-HT_<1A>受容体、ベンゾジアゼピン受容体の数が減少したことより、シナプス数の減少が示唆された。2)P8系の学習・記憶の障害に低不安も関与することが受容体数の変動より示唆された。3)P8系海馬でのプロテインキナーゼCの減少することも学習・記憶の障害に関わると推定された。4)加齢とともに脳内でのグリオーシスが起こるが、とくにP8系でこれが加速的に進行することがわかった。5)加齢に伴い、アミロイド前駆体蛋白質(APP)mRNA発現の増加、C末端27kDa断片の増加、顆粒状構造物の増加することがわかった。こうしてSAMP8系は老年性痴呆症のモデル動物として有川と考え、4ケ月齢のP8系雄性動物を使用し和漢薬の記憶障害改善作用を検討し、以下の知見を得た。和漢薬標品として、末消血流改善作用を有する丹参のメタノールエキスを使用した。本エキスを500mg/kg/dayを3週間経口投与した後、Morrisの水迷路法により空間認知機能に対する効果を検討したところ、対照群に比して改善効果を示した。また、丹参メタノールエキス投与後、脳部位別のNMDA受容体、一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を測定したところ、反復投与群では、大脳皮質NMDA受容体、脳幹NOS活性を有意に増加することが分かった。以上のように、SAMP8系は加齢に伴う脳高次障害に対する予防治療薬の薬効評価に有用であること、また丹参は脳シナプス伝達機能、受容体応答活性を亢進し、記憶改善効果を示すことを明らかにした。
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