研究課題/領域番号 |
04557122
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
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研究分担者 |
帯刀 益夫 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10099971)
関根 孝司 杏林大学, 医学部, 助手 (50255402)
水野 章子 杏林大学, 医学部, 助手 (60255403)
武田 理夫 杏林大学, 医学部, 助手 (40255401)
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キーワード | トランスジエニックマウス / SV40-T抗原遺伝子 / 温度感受性因子 / 単一ネフロン / 近位尿細管 / 集合尿細管 / サイクリツクAMP / アルカリフォスファターゼ |
研究概要 |
前年度に引き続き単一ネフロン内由来部位の明らかな培養細胞の性質を新鮮ネフロン分節と比較すると共に不死化培養細胞株の樹立をめざして、以下の新知見を得た。 1、近位尿細管起始部(S1)から継代した細胞には我々が新しく見出したバソプレシン(AVP)受容体(Vp)の発現が認められた。即ちAVPにより既存のV_1やV_2受容体拮抗薬で遮断されない一過性の細胞内遊離カルシウムの増大を維持していた。 2、近位尿細管終末部(S3)から継代した細胞には当該部位での特異酵素のalkaline phosphatase活性が発現しており、培地へのdexamethasoneや牛胎児血清の添加により活性発現が新鮮組織と同等にまで増大した。この継代(不死化)細胞を用いてシスプラチンによる細胞障害の定量評価ができるモデルを確立した。即ち、腎障害薬物のスクリーニングやその作用強度を定量する系として応用が可能になった。 3、遠位尿細管や集合尿細管由来の継代細胞はAVPによるcAMP産生上昇を示すV2受容体が安定発現しており、同時にisoproterenolによるcAMP上昇は新鮮組織以上に反応性の増大を認めた。 以上の様にネフロン機能を代替する主要な培養株の樹立に成功した。次年度は更に細胞の種類を増やし、応用範囲を拡大したい。
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