研究課題/領域番号 |
04557125
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
|
研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
宮村 達男 国立予防衛生研究所, ウイルス2部, 部長 (90100099)
|
研究分担者 |
渡辺 勇四郎 聖マリアンナ医科大学, 第2内科, 助教授 (00081688)
片山 透 国立東京病院, 院長
鈴木 哲朗 国立予防衛生研究所, ウイルス2部, 研究員 (00250184)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | C型肝炎ウイルス / セリンプロテアーゼ / 抗ウイルス剤 / バキュロウイルス |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)は約9400塩基よりなるプラス鎖RNAウイルスであり、遺伝子解析の結果よりフラビウイルス科に属すると考えられている。これらのウイルスに共通する特色として、1本の前駆体ポリプロテインから宿主細胞およびウイルス自身がコードするプロテアーゼによってプロセスされて複製される点が挙げられ、HCVに存在するセリンプロテアーゼをコードする領域(NS3)はウイルスの複製に必須であることが強く示唆される。申請者らはこのNS3がコードするプロテアーゼに対する阻害物質がHCVの増殖を妨げる抗ウイルス薬になりうると考え、以下に示す研究を行った。 (1)NS3遺伝子の一部または全領域を大腸菌及び昆虫細胞で発現させ、その遺伝子産物によるHCV蛋白質(NS5蛋白)の特異的切断を検討し、セリンプロテアーゼ領域を特定した。(2)HCVプロテアーゼをこルトース結合蛋白質との融合蛋白質の形で大腸菌で発現させ、可溶性の融合蛋白質を単離、精製することに成功した。またN末端側にヒスチジンタグシークエンスを付加することにより、ニッケルキレートカラムで効率よく精製することにも成功した。(3)昆虫細胞での発現では、N末端側に狂犬病ウイルスG蛋白質シグナルシークエンスを付加することにより発現量の著明な増加を見ることができた。また発現させた細胞を可溶化し、HCVプロテアーゼを部分精製することに成功した。(4)HCVプロテアーゼ及びその基質領域の遺伝子をヒト肝癌由来HepG2に導入し、薬剤選択により細胞株を樹立した。この細胞株において、HCV前駆体ポリプロテインの特異的なプロセシングを確認した。(5)大腸菌内で、既知のセリンプロテアーゼ阻害剤存在下にNS3プロテアーゼとNS5蛋白を同時発現させてその切断産物を検討した結果、TLCKに阻害活性を認めた。
|