研究課題/領域番号 |
04557131
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清野 進 千葉大学, 医学部, 教授 (80236067)
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研究分担者 |
林 茂寛 サンド薬品研究所, 薬理担当部長
黒見 坦 千葉大学, 医学部, 講師 (30009633)
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キーワード | ソマトスタチン受容体 / G蛋白質 / 腫瘍 / 画像診断 / ソマトスタチンアナログ |
研究概要 |
平成4年度では新たに第3番目のヒトソマトスタチン受容体サブタイプ(SSTR3)遺伝子のクローニングに成功した。SSTR3は418個のアミノ酸から構成されSSTR1とSSTR2とはそれぞれ45%、46%のアミノ酸の同一性が認められた。種々の組織におけるSSTR3mRNAの発現をノーザンブロットにより観察したところ、脳と膵ランゲルハンス島(ラ氏島)で高レベルの発現が認められ、SSTR1やSSTR2の発現分布とは異なっていた。SSTR1、SSTR2及びSSTR3遺伝子をCHO細胞(SSTR1、SSTR2)あるいはCOS-1細胞(SSTR3)で発現する細胞株を樹立し、各受容体サブタイプの薬理学的特性を解析した。GTPγSや百日咳毒素に対する感受性を検討したところ、SSTR2及びSSTR3はいずれも百日咳毒素感受性GTP結合蛋白質(G蛋白)と共役することが示された。また、ドーパミン受容体(D1)とSSTR3と同時に発現させた細胞株では、ドーパミンによるcAMPの産生をソフトスタチンが抑制する事実からSSTR3の効果器はアデニル酸シクラーゼであることが判明した。種々のソマトスタチンアナログと、各受容体サブタイプとの結合親和性を解析したところ、腫瘍の検出のために画像診断に用いられ、しかも内分泌腫瘍など腫瘍縮小の目的のためにすでに臨床応用されているSMS201-995はSSTR2と最も高い親和性を示した。従って、内分泌腫瘍を初めSMS201-995により検出し得る腫瘍ではSSTR2が過剰に発現している可能性がある。さらにCGP23996もSSTR2と高親和性を示すことによりこのアナログもソマトスタチン受容体を用いた画像診断や薬物治療の適応となる可能性が示唆された。
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