研究概要 |
(1)表面磁場による電子の閉じ込め効果 容器の壁にそって永久磁石を多数はりめぐらせて表面磁場を形成すると、電子の損失が減って低圧力までプラズマが維持できる。この実験事実を説明するために、表面磁場中の電子の運動をモンテカルロ・シミュレーションによって調べ、複雑な多極磁場の電子のロスコーンを初めて定量的に明らかにした。 (2)誘導型RF放電の維持機構 誘導型RF放電プラズマの維持機構の理論解析を進め、表面磁場による電子の閉じ込め効果を考慮した両極性拡散モデルを用いて、非弾性衝突も取り入れたパワーバランスの式と粒子連続の式を、適当な境界条件のもとに解いた。この結果、ガスの圧力、RF入力パワー、プラズマのサイズを指定するとセルフコンシステントに電子密度や電子温度が得られるようになった。このようにして得られた計算結果は、ガス種をHe,Ne,Arとかえて測定した実験データとほぼ一致した。 (3)新しい電子密度の測定法 RFプラズマの密度をラングミュア探針で測定する場合、精度が悪くなることが知られている。我々はこの問題を解決する新しい方法として、電ビームを入射して波を励起し、その振動数を測定して電子密度の絶対値を得る方法を考案した。この方法は、従来の方法に比べて任意性が入ることなく、密度を直読できるので信頼性が高い。 (4)放電用RFアンテナ これまでRFアンテナをプラズマ内に挿入していたが、将来、不純物放出などが懸念されるので、ガラス容器の外側にアンテナをおく方式を試み、十分に放電が維持できることを確認した。
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