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1994 年度 実績報告書

盲人のためのマルチモダリティ方式図情報表現システム

研究課題

研究課題/領域番号 04558009
研究機関名古屋大学

研究代表者

大西 昇  名古屋大学, 工学部, 教授 (70185338)

研究分担者 山村 毅  名城大学, 工学部, 助手 (00242826)
佐川 雄二  名城大学, 工学部, 講師 (90242833)
杉江 昇  名城大学, 理工学部, 教授 (30126867)
キーワード視覚代行 / 地図情報 / マルチモダリティー / 触覚 / 聴覚 / 言語・音響情報 / データベース / 福祉機器
研究概要

本研究では,盲人が,触覚・聴覚などのマルチモダリティを用いて,地図などの複雑な図面情報を獲得・表現するのを支援するシステムの研究・開発を目的とした.平成5年度までの研究で,プロトタイプシステムを完成させることができた.このシステムは路地での車や店頭の音などを人工的に生成し,学習すべき環境をできるだけリアリスティックに再現でき,さらに,地図データベースから盲人への一方向伝達だけでなく,盲人自身の体験をデータベースに書き込め,パーソナル地図を作れるような双方向伝達機能を備えたものである.
平成6年度は当該研究の最終年度で,当初計画通り,システムの評価と,その結果に基づくシステムの改良を行い,研究のまとめを行なった.システムの評価は,プロトタイプシステムを名古屋盲学校に設置し,盲学校の先生・生徒の強力を得て,学校生活および日常生活での使用における効果・問題点を中心に,評価実験を行なった.この実験では,対象図面を地図に限定せず,神経衰弱などのゲームにも使用し,本システムがどのような分野で有効なのかも調べた.
その結果次の2つの問題が明らかになった。一つは,操作に関することである.現システムでは,使用者の手は触覚での認識だけでなく,システムの操作もしなくてはならず,その結果,十分な触認識ができない.もう一つは,複数の人が触覚ディスプレイを同時にさわることができないため,特にゲームなどで必要となる触情報の同時共有に対応できない.前者の問題については,足ベダルを採用し,手による機器の操作頻度を少なくした.後者の問題の解決には,ネットワーク接続された触覚ディスプレイなどが考えられるが,これは今後の課題である.さらに,操作に慣れた人には長たらしい音声情報を,earconの使用により,内容を連想できる短い音に替えるなどの改良も行った.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 皆川洋喜: "触覚と聴覚による盲人用図表現システム" 電子情報通信学会論文誌. 77-D-III. 616-624 (1994)

  • [文献書誌] H.Minagawa: "Tactile-Audio User Interface for Blind Persons" Proc of 4rd Int. Conference on Computers for Handicapped Persons,Vienna,AUSTRIA. 570-574 (1994)

  • [文献書誌] 皆川洋喜: "盲人の図的理解を支援するシステム-触覚・聴覚ディスプレイの試用と考察-" 日本認知科学会第11回大会. 62-63 (1994)

  • [文献書誌] 皆川洋喜: "盲人用地図システム-触覚・聴覚的地図表現-" 第15回バイオメカニズム学術講演会. 47-50 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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