研究課題/領域番号 |
04558016
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
近浦 吉則 九州工業大学, 工学部, 教授 (40016168)
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研究分担者 |
鈴木 芳文 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10206550)
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キーワード | X線散乱トポグラフィ / X線トポグラフィ / スペクトロスコピートポグラフィ / マイクロビーム / シンクロトロン放射光 |
研究概要 |
物質の構造が一様でないことは、広く知られた事実である。このことは、結晶の構造評価はその局所的な基礎構造とその構造がどのように分布しているかを知る事によって始めて完全な構造評価が出来ることを意味している。結晶の基礎構造はスペクトルによって解析される。構造の場所分布はトポグラフィで調べられる。そこで、局所的なスペクトロスコピーをともなうトポグラフィ(ここでは仮にスペクトロスコピートポグラフィと称する)を提案し、従来のトポグラフィでは出来なかった完全な結晶評価を試みている。この方法ではマイクロビームを用いて、回析線は平行でなくてよいので、完全性の低い結晶や一般の材料の観察可能な散乱トポグラフィにもなる。この点も都合がよい。0.01mumステップ、50mm走査幅と、1.0〔arcsec〕のゴニオメータ(ロータリエンコーダーによるクローズト制御)機能を持つX-Y-Zの{3(広域)+2(狭域)}次元走査システムの製造を完了した。走査を広域と狭域に分けそれぞれ独立の制御が出来るようにした。現在、この制御ソフトを仮りに作り、装置のテストを続けている。一方、本システムの試作モデルの装置に半導体検出器SSDを取り付け、Fe+3%Si合金単結晶のスペクトロスコピートポグラフィ観察を行い、方位分布トポグラフのマッピングに成功した。これは、J.Phys.(D):Appl.Phys.に発表した。その他、本科研費研究に関した成果は「研究発表欄」に記しているとおり、充分な成果が上げられた。また、位置敏感検出器(PSPC)を利用したスペクトロスコピートポグラフィの実験を平行して進めている。これは、1994年9月のトポグラフィの国際会議(Europian Symposium on X-ray Topography and High Resolution Diffraction)に発表の予定である。
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