研究課題/領域番号 |
04558021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 昭彦 東京大学, 教養学部, 教授 (80013332)
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研究分担者 |
今村 茂行 旭化成, 診断薬研究部, 主任研究員
山本 徳男 東北大学, 遺伝子実験施設, 教授 (30192412)
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キーワード | 高度不飽和脂胞酸 / アシル-CoAシンテターゼ / アシル-CoAオキシダーゼ / 脂肪酸酸化酵素複合体 / cDNA |
研究概要 |
高度不飽和脂肪酸の定量に必要な、ACO、HDTの大量発現系も確立し、それぞれ精製にも成功した。ACSの研究経過は次のとうりである。Pseudomonas、ラット肝臓型、ラット脳I型、ラット小腸型の4つのACSの大腸菌での発現と精製を行ない、4種類の酵素の性質を明らかにした。新たに単離したラット脳II型ACScDNAをCOS細胞に導入し、精製した。脳II型ACSはアラキドン酸、エイコサペンタエン酸とミリスチン酸に最も高い脂肪酸基質特異性を有することが、明らかになった。このACSの基質特異性は本研究の目的に合致しているが、ラット脳II型ACSが大腸菌で発現できなかったため同様な構造をもつ、ACScDNAを肝臓より単離した。単離したcDNAは脳II型ACSと約80%のアミノ酸が同一で、脳II型ACSと類似した性質を持つことが期待された。 今までの研究結果より、Pseudomonas、ラット肝臓型、ラット脳I型、ラット小腸型の4つのACSの大量発現に成功しており、これらの酵素を用いた脂肪酸の高感度定量の実用化の見通しがついた。しかしながら、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸などの長鎖不飽和脂肪酸の特異的定量法を実用化可能にするためには脳II型ACSかそれに近い構造のACSの大腸菌での大量発現が求められる。脳II型ACScDNAやそれを改編して大腸菌の発現ベクター組み込み、大腸菌導入し大量に発現することを試みたが、成功には至っていない。そこで今後、新たに単離した脳II型ACS類似蛋白のcDNAの発現を試みる必要がある。
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