研究課題/領域番号 |
04558024
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山本 博 金沢大学, 医学部, 教授 (00115198)
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研究分担者 |
金子 二久 金沢大学, 医学部, 助手 (60019560)
細野 隆次 金沢大学, 医学部, 講師 (40019617)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 血液脳関門 / 血管内皮細胞 / 周皮細胞 / 星状グリア細胞 / 後期糖化生成物 / 糖尿病性細小血管症 / アルドステロン / 血管内皮増殖因子 |
研究概要 |
(1)試験管内「血液脳関門」モデルの作製に成功した。すなわち、周皮細胞、星状グリア細胞のフィーダー層上で血管内皮細胞を共存培養すると、多価陽イオン化アルブミンは取り込み天然型アルブミンやイヌリンは排除するという脳血管に選択的な物質透過能が本来の極性通りに再構成された。本モデルは今後中枢神経作用性物質の開発や脳内デリバリー検定上有用と考えられる。本研究ではまた、星状グリア細胞が非脳型内皮を脳型に「トランス分化」させうることが立証された。すなわち、星状グリア細胞と共存培養したヒト臍静脈内皮細胞でγ-glutamyl transpeptidase、transferrin receptor、P糖タンパク質などの脳血管内皮特異的遺伝子の発現やイヌリンに対するbarrier能が誘導された。さらに、本研究遂行の過程で山本らは、(2)後期糖化生成物(advanced glycation endproducts,AGE)がAGEレセプターとの結合を介して周皮細胞を選択的に傷害することを見い出し、糖尿病性細小血管症発症の新機序を提唱するとともに、(3)内皮細胞と血管平滑筋細胞が血圧調節に関係するステロイドであるアルドステロンの生成系と反応系を合わせもつこと、(4)低酸素下での血管細胞の増殖誘導は血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor)のオートクリン作用を介することを発見し、高血圧症や血管新生の発生や進展のしくみに関する新しい考え方を提唱した。
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