研究課題/領域番号 |
04558031
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
近藤 健次郎 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理センター, 教授 (20004434)
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研究分担者 |
三浦 太一 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理センター, 助手 (80209717)
沼尻 正晴 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理センター, 助手 (20189385)
沖 雄一 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理センター, 助手 (40204094)
鈴木 健訓 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理センター, 助教授 (40162961)
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キーワード | 線量測定 / ポリアニリン / 固体線量計 / Y線照射 / 導電性高分子 / ドーピング |
研究概要 |
本研究は、有機高分子フィルムを用いた新しい積分型放射線量測定素子を開発するための基礎研究を行うことを目的といている。我々は素材のフィルムとして特にポリアニリンに着目しており、ポリアニリンフィルムより調製した線量測定素子について照射実験を行ってきた。 以下に素子の原理ならびに得られた成果の一部を述べる。この素子は、放射線照射によってドーパントを放出する化合物と、ポリアニリンフィルムをパイレックス管等に封入したものである。導電性高分子として知られているポリアニリンはそれ自身は絶縁体であるが、ドーピングによって導体の領域まで電導度を飛躍的に増加させることができ、その増加は〜10^<10>倍に及ぶ。この素子は放射線照射により発生したドーパントがポリアニリンフィルムにドープされ、フィルムの電導度が増加することを利用して、放射線量を電導度の変化として読みとろうとするものである。 ポリアニリンフィルムの電導度変化は、基本的には発生するドーパントの量の関数、すなわち素子内に共存させる化合物のG値と照射線量との関数になると考えられる。したがって化合物のG値をうまく選択することによって、種々の線量域で使用可能な素子を調製できる可能性がある。共存させる化合物として我々はハロゲン元素を含む、ポリ塩化ビニル、テフロン、臭素化エポキシ樹脂、ベンゼンヘキサクロリド、ヨウ化亜鉛などの化合物を選んだ。これらを粉末状で、あるいは、ガラス繊維濾紙に含浸して板状とした後、ポリアニリンフィルムと組み合わせて素子を調製し、照射実験を行った。その結果、臭素化エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ベンゼンヘキサクロリドを用いると、電導度は良い線量依存性を示すことがわかった。また、照射後のボリアニリンフィルムの電子顕微鏡観察により、フィルム表面にはドーピングが均一になされていることが確認された。 なお、本成果の一部は第36回放射化学討論会(平成4年10月、於都立大)において発表した。
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