研究概要 |
雨畑川では、その最大の支流である稲又谷を対象として、1947,1964,1969,1974,1979の空中写真から作成した崩壊分布図をディジタル化した。さらに、同じ年の植生図もディジタル化した。崩壊との関連を強調するため、タイプ(天然樹林、二次樹林、人工樹林、伐採跡他、天然草地、裸地)、樹種(針葉樹林、混交樹林、広葉樹林、幼樹林、草地、裸地)、樹高(樹高6m以上、2-6m、2m以下、草高2m以下)で分けている。DEM(Digital Elevation Model)は、雨畑川流域全体を50m間隔の格子で作成した。これらのデータを使って、数量化II類による統計解析を行ない、各年次の崩壊要因を抽出した。 手取川流域では、南端に分布する白峰村の大道谷をテストケーストした。1969年と1974年の空中写真から崩壊分布図を作成し、ディジタル化した。他に、手取川全域の水系図をディジタル・データで作成した。また既存の植生図、地質図、土壌図をディジタル化した。DEMは2万5千分の1の地形図の等高線をそのままディジタル化した。これらのデータを使って、数量化II類による1969年の崩壊地の解析を行ない、崩壊要因を抽出した。これに基づき、危険度大、危険、やや安全、安全の4カテゴリーからなる崩壊危険度図を作成し、1974年の崩壊分布図と重ね合わせたところ、崩壊の約70%が危険度大・危険の斜面に重なり、的中率は70%程度となった。
|