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1992 年度 実績報告書

水素交換パルスラベルとNMR測定のためのプログラマブル多段混合装置の製作

研究課題

研究課題/領域番号 04558035
研究機関東京大学

研究代表者

桑島 邦博  東京大学, 理学部, 助教授 (70091444)

研究分担者 長村 俊彦  株式会社ユニソク, 主席研究員
横山 茂之  東京大学, 理学部, 教授 (00159229)
キーワード水素交換反応 / ストップトフロー法 / パルスラベル法 / NMRスペクトル
研究概要

タンパク質のペプチドアミド(NH)プロトンの水素交換パルスラベル法は、タンパク質の巻き戻りの過渡的中間体を特徴づけるための画期的な方法であり、その原理は、以下の通りである。(1)水素交換反応速度定数は、pHに大きく依存し、水酸イオン触媒域(pH>3)では、pHが1ユニット増大すれば10倍速くなる。従って、パルス的なpHジャンプを反応系に加えることにより、過渡的な反応中間体中の特定のNHプロトンを、水素交換反応を利用して、選択的にラベルすることができる。(2)pH3、低温にジャンプするか、または、酸素などの場合は基質類似物や補因子を加え、NHプロトンを安定化した後、選択的にラベルされたプロトンを分析する。(3)この方法を重水素-水素交換反応を利用して行い、2次元NMRスペクトルを併用することにより、反応中間体の構造解析のための画期的な手段となる。
本研究では、水素交換パルスラベルと2次元NMRを用いて、時間分解能と空間分解能の高いタンパク質反応中間体解析法を実現する。そのため、コンピュータ制御の多段混合装置を試作し、その性能を検討し、装置の実用化を目指すことが本研究の目的である。現在まで、以下の結果が得られた。
(1)試作のストップトフロー3段混合装置の製作を完了した。以下の点に留意した。簡単なモデル反応を利用して装置のキャリブレーションを行うため、各混合部に光吸収観測セルを取り付けた。タンパク質の巻き戻り反応を追跡するため、混合比は1:10とした。混合用シリンジの駆動はガス圧式とした。(2)装置をマイクロコンピュータで制御するためのインターフェースボードとプログラムを作製し、装置が期待通りに動作することを確認した。(3)現在、ストップトフロー装置キャリブレーションのモデル反応を用いて、装置の性能を検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kuwajima,K.: "Protein folding in vitro" Current Opinion Biotech.3. 462-467 (1992)

  • [文献書誌] Yutani,K.,Ogasahara,K.,Kuwajima,K.: "Absence of the thermal transition in apo-alpha-lactalbumin in the molten qlobule state" J.Mol.Biol.228. 347-350 (1992)

  • [文献書誌] Ikeguchi,M.,Sugai,S.,Fujino,M.,Kuwajima,K.: "Contribution of the 6-120 disulfide bond of alpha-lactalbumin to the stabilities of its native and molten globule states" Biochemistry. 31. 12695-12700 (1992)

  • [文献書誌] 桑島 邦博: "蛋白質フォールディングの中間体としてのモルテン・グロビュール状態" 生物物理. 33. 26-30 (1993)

  • [文献書誌] 桑島 邦博: "タンパク質の析れたたみ" 科学. 63. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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