研究課題
本年度は当研究費によって次の研究活動をおこなった。1.データベース作成のための基本的情報フォーマットを作成した。2.伊豆逓信病院におけるLD児診断ならびに治療教育記録70例の転写およびデータベース化をおこなった。3.白百合女子大学発達臨床センター来所の発達障害児について診断、治療記録40例をまとめデータベース化をおこなった。4.LDの専門家1名を対象にLD診断のエキスパート行動の観察、記述および分析をおこなった。方法としては、比較的まぎらわしい事例を選び、予診および来所時所見の情報を示し、そのケースについての予備的診断、診断理由等の口頭説明を求める。次に、どのような問診およびテストをさらに必要とするかを述べてもらい、その結果を示した上で、新しい診断および処置についての口頭説明を求める。随時質問しながら、この手続きをくりかえし、そのケースについてそのエキスパートがどう考えどう診断しその診断がどのように検証されたかをできるだけ詳細に再現することを試みた。5.上の第一段階につき、エキスパート行動を再現するコンピュータプログラムのタイプを考えた。6.白百合女子大学発達臨床センターにおいて隔週に研究会をおこない、LD診断の基準および判別テストにつき検討を重ねた。7.LD児3名につき個別的教育プログラムを作成し、実施し、症候と治療教育法との関係を確かめた。