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1994 年度 実績報告書

外国語(英語)音声の時間軸制御による新しいリスニング教育・研究システムの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 04558042
研究機関山形大学

研究代表者

中西 達也  山形大学, 教養部, 助教授 (10217771)

研究分担者 三崎 正之  松下電器産業, 映像音響情報研究所, 主事
富田 かおる  山形大学, 教養部, 助教授 (00227620)
中山 和夫  山形大学, 教養部, 助教授 (10180431)
山口 常夫  山形大学, 教養部, 助教授 (80146745)
キーワード調音速度 / 発話単位 / 聴覚記憶容量 / 聴知覚 / 音声速度変換 / LLシステム / モダリティ / 映像情報
研究概要

(1)s処理が教育システムと極めて融合しやすいこと,またその使用方法を外国語教育での例を中心に述べた。
(2)映画やビデオなどの素材において,一体となっている音声情報と映像情報の両方に対し,同時に速度変換処理を施し,時間的に同期が取れている両情報を一緒に提示することの,学習上における相乗作用について,並びに,このシステムの使用例を述べた。
(3)従来の線形速度変換処理アルゴリズムをさらに発展させた非線形速度変換処理アルゴリズムを提案し,英語母語話者によるその処理音声の自然さについての評価実験では良好との回答を得ている。
(4)調音速度と発話単位の長さの2要因が聴解に及ぼす影響について調べる実験により,s処理により発話速度を遅くした刺激と音声分析システムによりポ-ズを挿入し発話単位を短くした刺激はオリジナルに100%の処理を施した刺激よりも聴解の度合いが向上するという結果を得た。また2要因の効果の度合いの比較では,発話単位の聴解への影響の度合いの方が大きい傾向が観察された。
(5)従来の研究では,互いに深い関係がありながらもそれぞれが独自の発展を遂げてきた,音声科学とリスニング研究について,音声科学の知見をとりいれて外国語リスニング学習を考察した。
(6)呈示速度の増減が聴覚記憶容量(聴単位長)に及ぼす影響を解明すべく研究を行った。音声の刺激長の測定は15秒未満の刺激はカワイ音声分析システムで,15秒以上の刺激はs処理システムで測定した。実験結果は,単語刺激では速度比0.70のとき,聴単位長の伸長が観察されたが,文刺激では有意な差は観察されなかった。単語刺激のときは,音韻セグメント長の伸長により音響的手がかりの抽出能力が向上したためであると考えられる。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 中西達也: "外国語(英語)教育・学習システム構築におけるメディアとしての音声速度変換処理システム" 日本教育工学会第8回大会公演論文集. 28-31 (1992)

  • [文献書誌] 山口常夫: "音声速度変換処理システムを利用したLL教育" 語学ラボラトリ-学会関東支部平成4年度第2回研究会研究発表要綱. 39-47 (1992)

  • [文献書誌] 富田かおる: "Temporal Variables in English Speech:speech and Pause Ratio in Aural Reading" 山形大学紀要(人文科学). 第12巻 第4号. 81-91 (1993)

  • [文献書誌] 中山和男: "音声速度変換処理(s処理)システムの評価-英語再認実験による習熟度別考察-" 筑波英語教育. 第十四号. 179-198 (1993)

  • [文献書誌] 中山和男: "敏感期以降の学習者の外国語音声聴取能力について Speech Recognition of Post-Sensitive-Period Learners of Foreign Languages" THE JACET 32ND ANNUAL CONVENTION PROGRAM. 156-157 (1993)

  • [文献書誌] 冨田かおる: "外国語発話速度の知覚に関する「s処理」を用いた実験的研究" 大学英語教育学会第32回(1993年度)全国大会要綱.

  • [文献書誌] 中山和男: "リスニング教育に関する産学共同研究の試み" 大学英語教育学会通信90号. 通巻 NO.90. 1285-1285 (1993)

  • [文献書誌] 冨田かおる: "速度変換処理(s処理)音声のポ-ズ分布に関する評価" 平成5年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書 課題番号04451142. 29-48 (1994)

  • [文献書誌] 中西達也: "s処理音声での英語の単語間に生じる音連続現象を含む語句を呈示した場合の考察" 平成5年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書 課題番号04451142. 51-78 (1994)

  • [文献書誌] 山口常夫: "難解な英語の音声現象(音連続変化)と音声速度変換処理システム" 平成5年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書 課題番号04451142. 81-109 (1994)

  • [文献書誌] 中山和男: "外国語音声聴取能力を補償するシステムの基礎的研究" 平成5年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書 課題番号04451142. 113-189 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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