研究分担者 |
南 将人 (株)エコー, 第一技術部水理課, 主任
藤原 広和 八戸工業高等専門学校, 土木工学科, 助手 (70199389)
金子 仲一郎 八戸工業高等専門学校, 土木工学科, 助手 (70099761)
神田 健策 弘前大学, 農学部, 教授 (10113705)
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研究概要 |
1.台風19号による落果、樹上損傷、樹体の倒木の被害総額は741億74万円に達するが、これによるリンゴ以外の農林業への影響を試算すると846億3600万円になる。青森県では農家人口の割合が約30%であることから、農業生産の底冷えは地域経済全体に波及し、青森県産業関連表から試算すると農業の生産が10%低下すると他の部門に与える減少額の影響を総計すると2.27倍の影響が出ることがわかった。また、台風による生産基盤の破壊は生産意欲をそぐ結果となり、出稼ぎ者の増加をもたらした。 2.リンゴ園においてリンゴ果実に加速度計を埋め込んで測定した結果、平均加速度(a)は平均風速(V)の2乗で増加し、水平方向の加速度はa=0.002V^2+0.013Vとなった。鉛直方向の加速度は水平方向よりも小さい。また、最大加速度によって生じる力を求めると風速5.09,8.74,12.62m/sにおいて、それぞれ16.14,34.84,54,74grfとなった。 3.風速とリンゴ果実の中心の風圧を測定した結果、平均風圧は風速の2乗で増加し、P(grf/cm^2)=0.004V^2+0.003Vとなった。 4.リンゴ果実まわりの圧力分布測定は困難であるため、抗力測定器を試作し、ふじ,王林,ジョナゴールド,むつの4種類のリンゴの抗力係数(C_P)を求めた。その結果、Re数が少さいときは多少のばらつきがあるが、Re数が大きくなると品種に関係なくC_P=0.2前後の値となった。 5.風によるリンゴの振動に起因する力や抗力はリンゴ落下をもたらす程の力でないことから、枝の揺れによって生じる力をマルバとわい化リンゴについて実測した。40cm引張ったときに、最大3.7kgfの力が働くことから、枝の揺れによって生じる慣性力で落下する確率は高い。 6.マルバとわい化果樹モデルと果実まわりの可視化を行なった。 7.LESモデルによるシミレーションプログラムは開発中である。
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