1『哲学的文法』に至る稿本の解読・浄書について 膨大な作業量のため、現在刊行されているテキストと合致する部分については後回しとし、当面は詳細な対照表を準備する、という方針で作業を進めた。MS140についてはデータベースとして公開可能なレベルのものが完成、後述のWABに寄託して公開予定であり、TS2130の転記もハードコピーとしては実用に供せるレベルのものを作成した。 2中期ウィトゲンシュタインの稿本間の関係について TS213、MS114、MS115、MS116、MS140を相互参照しつつ熟読することにより、『哲学的文法』の成立過程、編集の妥当性について克明な吟味を行い、さらにウィトゲンシュタインの思索のスタイルについてもいくつかの洞察を得た。
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