1.ナーガリー文字の読解にすぐれた補助者に依頼して、『カーミカ・アーガマ』、『ドゥヴィシャティカーローッタラ・アーガマ』、『サルヴァジュニャーノーッタラ・アーガマ』、『ラウラヴァ・アーガマ注解』の約半分、を入力した。写本の頁にして約600頁にあたる。テキストのチェックに関してはそのうちの半分程度まで終了した。 2.こうして入力されたテキストは光磁気ディスク上に蓄積して、予備的な分析を行なった。『カーミカ・アーガマ』の予備的分析は、その使用する語彙等からもこのアーガマが、28アーガマの最初にあげられているにもかかわらず、現存するものに関しては比較的新しいものであることを示唆している。引用等から時代の古いことの明確な『ドゥヴィシャティカーローッタラ・アーガマ』との違いは明かであり、今後すべてのアーガマについて語彙分析を行うことによって、年代論的研究に成果があがることが期待される。このような反省に基づいて、アーガマに対する注解としては最古のものの一つであることを明らかにすることのできた『ラウラヴァ・アーガマ注解』をも入力することにした。 3.サンスクリットのように単語が分割されていない文献の全文データベースに関しては、様々な問題があるが、同様のプロジェクトを推進しつつある諸研究者と協議を重ねて、あいまい検索を可能にするテキストとインデックスの多重化の方向で形式をまとめつつある。成果を公開する来年度には一応の最終的形式を確定する予定である。
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