実験的研究 1.疑問生成力の発達 (1)子どもの疑問を収集、分析、典型的な「科学的」疑問を選んでビデオ化した。(2)大学生および小学生にビデオを見せ、自由発話させた。生成されたキー疑問数は2群間で有意差がなかった。この結果から、疑問生成力は大人になると低下するものではないことが示唆された。 2.質問の社会的抑制 (1)教養心理学クラスの学生に科学映画を見せ、レポート方式で疑問を書かせた。通常の授業場面で質問が発せられるのはまれだが、この方式では各学生が1個以上の疑問を記入、高度なものも含まれていた。通常授業場面では質問に対する社会的抑制がかかっていること、疑問促進に記入法が有効なことが示唆された。(2)大学生および小学生が、数課題の下で文章材料を読み、集団中で質問を出す(公表条件)、または、疑問を筆記する(非公表条件)ことが求められた。非公表に比し公表条件では質問は大幅に減少した。また、この社会的抑制効果は小学生に比し大学生で大だった。 理論的研究 疑問生成の認知的記述モデルが、実験的研究の成果をもとに更に発展させられた。
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