本研究は幼少児の人工内耳装用効果を評定するための検査法の作製を目的としている。検査の構成は、1)環境音の識別、2)言語音のパターン識別、3)単語了解度、4)短文了解度、5)聴覚的把持力の5つの下位項目からなり、おのおのについて検査試案を作製した。検査の実施方法は、動作法と絵画指示法によるものとし、それぞれに検査項目を用意した。最終的には検査用ビデオデイスクに収録する予定であるが、今年度はまず予備検査として、検査者が肉声で検査を行った。 作製した試案について、10例の健聴4歳児、4例の補聴器装用の高度難聴児、2例の人工内耳装用小児に検査を実施し、検査法としての検討を加えた。その結果、語彙の選定、課題の難易度の設定、絵画指示法に用いた絵と選択肢の数、動作法に使用した玩具、などについて更に検討する必要があることがわかった。今回の試案をもとに改変を加え、臨床的な使用に耐える検査法を作製する予定である。
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