研究課題/領域番号 |
04610047
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
梅澤 章男 福井大学, 教育学部, 教授 (70151925)
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研究分担者 |
宗倉 啓 福井大学, 教育学部, 助教授 (20154685)
三橋 美典 福井大学, 教育学部, 助教授 (20157556)
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20000086)
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キーワード | スキル学習 / リラクセィション / 運動スキル / 認知過程 / 学習プロセス / 教授-学習過程 / バイオフィードバック |
研究概要 |
本研究はリラクセィションスキルと運動スキルという一見対照的なスキルを取り上げ、習得過程を追跡する研究方法の開発を第1の目的とした。また、両スキルを対比させながら、そこに共通して認められる習得過程の特徴を明らかにし、それをモデル化することを第2の目的とした。本年度は両スキルの習得過程を追跡するデータ収集技法の確立を主な目的とした。リラクセィションスキルに関しては、弛緩体操して知られる野口体操を取り上げ、脱力と動きのスムーズさを対応させる経験則を利用した弛緩レベルの測定を試みた。具体的には、腕ブラ、肘下ブラという野口体操を行なっている時の肩関節と肘関節の角度変化から、両関節の抵抗(トルク)を推定する運動方程式を立てた。関節角度と同時に筋電図を測定し、関節角度変化から推定されたトルクと筋電図の振幅との対応関係を検討した。その結果、トルクの増加と筋電図の振幅との間に対応関係が示された。また、2つの体操を行なっているときの肘関節のトルクには大きな違いがあり、肘下ブラにおける肘関節の緊張が高いことが推測され、困難とされるリラクセィションスキルの測定に一定の成果を上げることが出来た。一方、運動スキルについては課題として多くの利点を有する一輪車走行技能を取り上げ、10名の大学生男女を対象にした訓練実験を行なった。スキル習得が達成された基準を10秒の連続走行が可能になる時点としたところ、最短で3日、最長で10日の訓練期間で、すべての被験者が基準に達した。同時に測定した内省データ、VTR画像データの分析から、走行時間の推移にともない内省データに質的な変化が認められること、走行時の姿勢、とくに腰から上体の角度に変化が認められることを確かめられた。以上の結果から、一輪車走行スキルの習得過程において認知運動系のインタラクティブな変化が生じていると考えられた。
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