• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

1993年EC統合下の外国人問題の社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04610115
研究機関一橋大学

研究代表者

梶田 孝道  一橋大学, 社会学部, 教授 (10133357)

キーワード外国人 / 外国人労働者 / EC統合 / エスニシティ / 人の自由移動 / 難民 / 移民 / 民族問題
研究概要

1993年に発足したEC共同市場によって、EC域内、域外をめぐる人の移動も活発化し、その性格も明確となってきた。本研究では、EC域内における「外国人」の多層化と複雑化を反映する形で、「外国人」のカテゴリー分けを行った。すなわち、(1)EC諸国民、(2)定住化した非EC諸国民、とりわけアジア・アフリカ系外国人やイスラム教徒、(3)東欧・旧ソ連からの流入者(4)発展途上国からの「難民」「不法入国者」である.近年におけるEC(Eu)諸国での人の移動の特徴の一つは、ビジネスマンや高学歴者や学生のレベルでの激しい移動と、通常の労働者や農漁民のレベルでの無関心との対照的性格である.両者のEC統合への態度の違いは、マーストリヒト条約に対する賛否の違いという形でも表われた.さらに、長びく不況も加わり、フランス ドイツ、その他で外国人(移民)排斥運動が活発化したが、ここでも、EC統合を支持し、人の自由移動に対して好意的なエリートと、EC統合に対して消極的で外国人の流入に対して警戒的な一般大衆との間で意見の相違が認められた.この後者の動きを「ナショナル・ボピュリズム」と表現した.
しかし、その半面「欧州市民権」がマーストリヒト条約によって定められ、近年中に実現することとなった.一方では、国家主権の合有に基づく国民国家の相対化が進み、また他方では、ナショナリズムの側の激しい巻き返しが見られ、ポスト・ナショナル化をめぐる議論が活発化している.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 梶田孝道: "ヨーロッパ・アイデンティティと国民意識のあいだ" ライブラリ相関社会科学(「ヨーロッパのアイデンティティ」). 1. 59-76 (1993)

  • [文献書誌] 梶田孝道: "越境する文化・回帰する文化-ヨーロッパを事として-" 世界. 589. 235-252 (1993)

  • [文献書誌] 梶田孝道: "ヨーロッパ統合をめぐる対立軸" 鴨武彦編『講座世紀間の世界政治』(2). 61-124 (1993)

  • [文献書誌] 梶田孝道: "統合と分裂のヨーロッパ、-EC、国家、民族-" 岩波書店, 259 (1993)

  • [文献書誌] 梶田孝道(編): "ヨーロッパとイスラム-共存と相点のゆくえ-" 有信堂, 304 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi