研究課題/領域番号 |
04610142
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
寺岡 英男 福井大学, 教育学部, 助教授 (90115303)
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研究分担者 |
柳沢 昌一 福井大学, 教育学部, 助教授 (70191153)
森 透 福井大学, 教育学部, 助教授 (20182199)
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
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キーワード | 授業研究 / 学習過程 / 認識発展 / 追究ーコミュニケーション編成 |
研究概要 |
1.今日の授業研究の動向をみると、現実の授業における学習の過程に焦点が当てられてきている。しかもその場合、従来の授業を構成するある特定の要素からのアプローチではなく、いくつかの要素が絡み、しかも社会的・文化的な実践の中で捉え直そうと視座を拡げながら、実際の授業での生きた学びの動態に焦点が合わされてきている特徴がある。 2.例えば認知心理学の上野直樹は、学習の過程を、知識を学習者自身が構成的にとらえていくものとみるべきこと、さらには学習を行うコミュニティの組織のあり方を併せ考えるべきことを提起することによって学習過程自体をどのような構造としてみるべきかについての1つの視座を提起している。しかし、その場合、具体的にはルールのゲームやユークリッド原論の構成あるいはストリート算数などで、実際の授業における認識やコミュニティの生成過程、さらにはそのコミュニティを自覚的に構成していく展開過程までは必ずしも視座に入ってはいない。 3.学習過程の動態を明らかにするためには、ある場面での認識とコミュニケーション編成との関連をとらえるにとどまらず、学習過程におけるコミュニケーション編成の組み替えと、その組み替えによる認識の発展過程との連関をあきらかにしていく必要がある。そのことによって、従来の固定なデザインをもとにした授業研究の方法や分析装置に代わるものを創り出すことができると思われる。そうした立場から伊那小の実践分析を通した研究成果の一端は、92年日本教育学会で研究報告した。(寺岡・流他「学習過程における認識発展とく追究ーコミュニケーション編成の展開」)
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