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1993 年度 実績報告書

米国連邦教育省の教育政策実施過程に関する実証的研究-政策官庁への再編過程とマンデイト・イシューの分析-

研究課題

研究課題/領域番号 04610145
研究機関愛知教育大学

研究代表者

坪井 由実  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50115664)

キーワード米国連邦教育省 / マンデイト・イシュー / 補償教育 / ESEAタイトルI / ECIAチャプター1
研究概要

連邦教育政策のうち、特に教育上恵まれない子ども(educationally deprived children)を対象とする補償教育政策に焦点を絞り、「初等中等教育法」(ESEA,1965年)タイトルIとその1960・70年代の改正条項、並びに「教育統合改善法」(ECIA,1981年)チャプター1およびその1988年改正条項について、補助金交付の条件としてのマンデイトの分析を行った。その結果、1970年代のマンデイトの強化は、もっぱら連邦補助金が適正に補償教育プログラムに充当されるように、補助金の配分原則やプログラムの計画・実施手続き過程を細密に規定するという性格のものであり、特に補償教育対象児童生徒の父母からは歓迎されていた。
これに対し、88年のECIAチャプター1の改正によるマンデイト条項の強化は、主に補償教育によって恵まれない子どもたちの学業成績が向上しているかどうかを標準テストで測定し、「相当の進歩」を示していない学校は、プログラム改善計画を作成実施し、それでも目標を達成できなかった場合は、州教育当局と学区が合同でプログラムを開発するなどの新たなアカウンタビリティ・システムを義務づけるものである。このように、60・70年代の連邦教育政策は、教育機会の平等と拡大のためのタイトルI補助金に関するマンデイトの強化から、80年代後半以降は教育の質的向上と効率化のためのチャプター1補助金に関するマンデイトの強化へと転換してきている。
本研究により、以上のような学校一学区一州一連邦政府の新しいシステムづくりの中で、連邦教育省は、国家教育目標(ブッシュ政権の2000年までに達成すべき6つの目標やクリントン政権の7目標など)を管理し、達成していくための政策官庁として再編されてきていることを明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福田茂夫編・坪井由実: "現代アメリカ合衆国(「子ども・青年と教育政策」執筆)" ミネルヴァ書房(杉田信夫), 296(pp.67-84) (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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