研究課題/領域番号 |
04610146
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
杉峰 英憲 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (70025112)
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研究分担者 |
廣岡 正昭 奈良女子大学, 文学部附属小学校, 教諭
松本 博史 奈良女子大学, 文学部附属高等学校, 教諭
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キーワード | 奈良 / 学習法 / 木下竹次 / 算術 / 新教育 / 新主義数学 / 進歩主義教育 / 数学 |
研究概要 |
本年度は、木下竹次の『学習各論』の「数学的精神の発揮」と、『学習研究』誌上に表れた算術教育の理論的・実践的論考をMS-DOS上に読み込み、杉峰は、木下竹次の思想の系譜や、わが国の大正期新教育運動ならびに世界の進歩主義・新教育・教育改造運動の関連性の観点から、松本は、数学の教科としての系統性の観点から、また、廣岡は、合科学習の授業実践の観点から新教育に関する用語の分類をした。 一方、日本語のOCR入力と同時に、用語の分析において実証されるべき仮説を形成する必要から、理論的な研究を平行させ、その過程で必然的に要請された欧米の諸思想家の英文による文献を、日本語文献の将来的な比較を考慮して、入力を開始し、現在比較分析のためのプログラムを開発中である。 分析の視点は、(1)新教育運動の動向と数学教育改造運動の関係、(2)新教育と日本における数学教育改造の試み、(3)木下竹次の算術教育論にカテゴライズされ、(1)には、(1)新教育・進歩主義運動の性格(実質陶冶と形式陶冶・客観主義の克服・合科学習の動向等)(2)数学における教育運動の性格(ペリーの実用数学・デューイの数学教育観・実用主義と融合主義等)、(2)には、(1)日本における新教育の展開(精神主義的鍛錬主義・自学補導・題材論等)、(2)数学の国家的改造の試み(菊池大麓・藤沢利喜太郎・小倉金之助・実用性と論理性等)、(3)には、(1)学習法(直観・本性・数概念の起源・数量生活発展の様相等)、(2)教科論(実験実測・形式陶冶の克服・関数・実験実測・自然・社会.算術問題構成法等)がサブ・カテゴリーとして抽出されている。 上記の研究のうち理論的研究に相当する部分は、平成4年10月3日に広島大学学校教育学部でおこなわれた日本教育大学協会研究集会で、「奈良女高師附属小学校における数学教育論」として発表された。
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