研究課題/領域番号 |
04610178
|
研究機関 | 神奈川県立博物館 |
研究代表者 |
宗像 盛久 神奈川県立博物館, 学芸部, 主任学芸員 (30124522)
|
研究分担者 |
山地 純 神奈川県立博物館, 学芸部, 学芸員 (70176410)
奥野 花代子 神奈川県立博物館, 学芸部, 主任学芸員 (30132913)
田中 孝子 神奈川県立博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40132914)
|
キーワード | 博物館 / ワークシート / 展示解説 / 体験学習 / 博物館の教育的機能 / 子供の理解方法 / 夏休み / スタッフ不足 |
研究概要 |
今年度は研究に必要な基礎的データの収集を行った。第一に神奈川県立博物館の常設展示を利用してワークシートと展示解説を実施し、これに対するアンケート調査をした。第二に専門家の意見聴取を行った。第三に全国博物館の子供向け教育活動の実施状況調査を実施した。 詳細なデータ分析は次年度の予定だが、概要は次の通りである。 ワークシートと展示解説についてのアンケート調査では、子供の博物館経験として科学館の利用度が高いこと、個人利用では家族との来館が多いこと、歴史に比べ自然の展示に興味をもつこと、7割の子供がワークシートや展示解説の意義を認めていることなどが明らかになり、小学生の興味の持ち方、対応方法、来館傾向など実践でなければ得られないノウハウを得ることができた。 専門家意見聴取では、社会教育学の立場から、博物館の教育的機能面の特色と子供の理解方法から、子供の生活体験に即し、子供の視点で展示を見直し、質問により子供に考えさせることの必要性が指摘された。こうした原理に実際の経験を活かし、各博物館毎の方法を見いだすことの重要性も示唆された。美術館の子供教育担当者からは子供の興味の引き出し方、親と子の関係、協力員の育成の難しさ、PR方法等の実践的方法を得た。学校教諭からは、教員への啓蒙・PRの必要性と学校対応と個人対応の違いについて有意義な意見を得た。 子ども向け教育活動実施状況調査では88館中48館が子ども向け教育活動を実施しており、体験学習や展示見学用ワークシートの実施例、夏休みの実施が多い。内容検討は館独自が多く、仕事として重要で作業量も多いにかかわらず、実施館の3分の1の館で予算がないという実状が明らかになった。問題点としては体制つくりやスタッフ不足があげられている。数館については現地聞き取り調査でデータ収集をした。
|