1.未解放部落の実態調査資料については、近世の地誌・村明細帳、近代の行政、融和運動団体、部落解放運動組織、研究機関の報告類を調査した。しかし、(1)村明細帳が全県にわたって調査できず県南の一部にとどまっている。(2)近代の資料の地名・字名の扱いの基準にずれがあり地域を確定できない場合がある。(3)基本カードは作製したが整合性に留意した整理ができていないの諸点の理由で、時代順・地域別の一覧表は作製できていない。 2.近世史料の調査・解読については独自に20数年来のつみ重ねがあり今年度は池田家文庫の小野家文書につき再調査を行い補足できた。また倉敷代官所の目明し役を勤めた原田家の文書につき同様に再調査を行い既調査分を訂正・追加できた。津山藩文書にについては『岡山県史・津山藩文書』の調査、既刊史料集を参考にした追加作業で補足できた。 これらの調査ずみ史料はすべてカードにとり、年代順に整理している。そのカード目録を基礎に、刊本史料複写・解読史料原稿を年代順に整理しファイル化している。 3、岡山藩・倉敷代官所領の賤民制につき政策全体と関連させて研究する課題は充分にはとりくめていない。研究者が倉敷市史編纂事業に参加し近世分野を担当しているので、その史料調査・研究とあわせて、特に倉敷代官所領の賤民制について明らかにしたい。今年度は、史料目録・文献目録・略年表を作製した。
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