今年度は夏にドイツ学術交流会の招待で、ドイツに調査研究にでかけることができ、非常に多くの成果をあげることができた。特に1.フォイヒトヴァンゲンの合唱博物館での史料調査 2.コーブルクでのエルンストII世生誕175周年、死後100年の記念行事への参加 3.ヴィーンでの男声合唱協会での資料調査 4.ベルリン自由大学ユルゲン・コッカ教授のもとでのシンポジウム「国民と感情」についてのシンポジウムへの参加は貴重だった。 その後は、その成果をまとめるべく努力し、未だ刊行されていないものもあるが、いくつかの論文をまとめた。1.コーブルクとドイツ統一:コーブルクは19世紀のドイツの統一運動の中心地であった。当時の領主ザクセン・コーブルク及びゴータ公爵エルンストII世は弟チャールズ・アルバートがヴィクトリア女王の夫君であり、ドイツの諸侯の中でも特殊な地位を占めていた。そのコーブルクでのドイツ統一のための運動の交錯を分析することは19世紀のドイツ統一を理解する上で、決定的に重要である。2.ドイツ統一と男声合唱運動:当時協会として組識されていた男声合唱運動はドイツ統一に積極的に関わってた。男声合唱運動を分析する中で、第二帝政まで続くその軍国主義的、ナショナリスティックな性格を問題にした。 今後、ドイツの国歌について、ヴァーグナーについて、近い内にまとめる予定であり、また「ドイツ統一と男声合唱運動」について今秋ドイツで研究会が予定されており、それに参加、発表する予定である。
|