1990年の東西ドイツの統一以来、早くも四年目に入っている。この20世紀末のコール首相のドイツ統一は歴史学にもドイツ統一の歴史的再検討をせまっている。今回のドイツ統一を、19世紀のビスマルクによるドイツ統一、20世紀前半におけるヒトラーによるドイツ統一と比較し、ドイツ統一問題の歴史的理解を深めることが研究課題であった。幸い、この間、統一後ドイツに長期間滞在し、その現実を見、史料調査をする機会にもめぐまれ、研究上多くの成果をあげることができた。すでにその一端は研究論文、編著書としてまとめているが、さらに近い内に研究をまとめるため具体的に準備している。 1.ナチズムとその後のドイツについて、『ナチズム後のドイツ』(共著)をまとめる 2.ドイツ統一の基本理念を探るためのドイツ国歌の歴史的展開の研究。 3.ヴァーグナーの音楽とドイツ市民社会、ドイツ・ナショナリズムについての研究 4.19世紀のドイツ統一と男声合唱運動について、本年10月、ドイツで研究会が開かれ、そこで報告する予定。 また、国民的記念碑についての研究、コーブルクのエルンストII世のドイツ政策についての研究もさらに深め、研究論文あるいは著書として発表したい。
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