研究概要 |
我々は平成4年度から2年間の予定で「コンピューターによる中世英国韻文ロマンスのコンコーダンス編纂」の課題によって、上記文部省科学研究費補助金(一般研究(C))を受け、中英語韻文ロマンスの内の"Eustace-Constance-Florence-Griselda"の作品群の主要作品4篇のコンコーダンス編纂計画を推進している。 2年計画の初年度である平成4年度はSir Eglamour of Artois(14世紀中葉、1330行)、Sir Triamour(14世紀後期、1719行)の2作品を取り上げた。これらの作品は、我々がこれまで研究したことがなかった作品であることや、前回3年計画で取り上げた「シャルルマーニュ大帝伝説」の作品群と同様にテキストの版本や研究書が少ないために、作品研究とテキスト研究・検討に予想以上に時間がかかり、本年度の大半を費やした。本年度も助成金によって、ロマンス関係の文献を購入でき、以上の研究・検討に大きな力となった。 平成4年12月からテキストのコンピューター入力作業を始め、今年度も大学院生をアルバイトに雇うことができ、入力、校正、特に後者の点で大いに助かった。上記の作品にそれぞれKWIC concordance,word index,ranking frequency list,reverse word list,rhyme word listを作成し、これらの作品に多面的にアプローチできるように配慮した。従って、我々のコンコーダンスはこれらの作品研究の大変有用な道具になるものと期待される。
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