日本の援助に関しては、海外でも関心が高く、新しい研究書が次々と発刊されている。平成5年夏には香港で、平成6年春にはワシントンDCで、研究成果の一部を発表したが、そうした場でもこのことを強く感じさせられた。 これまで海外経済協力基金や国際協力事業団で行なってきたインタビューでは、書籍からは得られない生の情報、援助担当機関で実務についている方々の視点からの意見に触れることができ、たいへん参考になった。また、平成4年度にタイ・バングラデシュへの援助プロジェクト視察旅行を行ない、この際にお世話になったOECF・JICAの方々からも、より実務に密着した部分での意見・情報を得ることができた。 平成6年度においては、本研究計画の初年度の成果と第2年度の成果とを総合するという意味で、まさにこの研究計画の中核にあたる部分に着手する予定だった。しかし、資料の収集・整理に関して研究補助の予算を削らざるを得なかったため、その意味での時間的な遅れが生じてしまった。さらに、研究代表者が体調を崩して入院するなど、しばらくの間、本研究の継続に支障を来した。現在、資料収集とその整理作業はほぼ完了し、モデルの構築に入っているが、分析結果はまだでていない。このため、新しい知見はまだ得られていない。 時間的な遅れとの関連で、平成6年度の研究成果の発表は、平成7年度9月に発表予定の本学紀要「琉大法学」を利用することになると思われる。
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