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1993 年度 実績報告書

「労仂力の女性化」をめぐる思想史的研究-経済学におけるフェミニズムの問題

研究課題

研究課題/領域番号 04630010
研究機関名古屋市立女子短期大学

研究代表者

安川 悦子  名古屋市立女子短期大学, 経済科, 教授 (90071034)

キーワード労仂力の女性化 / フェミニズム / 家族 / 家事労働 / 労働市場 / 家族賃金 / 労働過程 / スウェーデン
研究概要

1.「労働力の女性化」にかかわる文献の蒐集については、イギリス、アメリカを中心に蒐集し、あわせてスウェーデンにおける女性労働の問題も、視野にいれた文献蒐集をおこなった。発展した資本主義国における女性労働の有り様を検討するにあたって、スウェーデンが一つのモデルになりうるということは、研究をはじめる当初から予想していたのだが、「労働力の女性化」のもっとも進んだ国スウェーデンでも、本質的に同じ問題が見られることがわかったからである。「労働力の女性化」が性別職務分離を強める傾向にあると同時に、それを解体していく力ともなるということが、この比較をとおして明らかになった。
2.「家事」「家事労働」「労働市場」「労働過程」「労働運動」などのキーワードのなかで、本年は、「労働過程」「労働市場」におけるフェミニズムからの再検討に力を入れた。「労働過程」におけるジェンダー別編成の問題を科学技術の発展との関係で問題になる。そうした中で、科学技術の開発それ自体のジェンダー性が、「労働力の女性化」の中で性別職務分離の傾向を一層強化する傾向にあることが明らかになった。
3.「労働力の女性化」問題は、「労働市場」の問題と深くかかわり、企業経営の問題と深くかかわることは明らかである。この問題を日本型企業経営の特徴、「労働市場」の特徴と結びつけて問題にし、「労働市場」における性別分離の構造を、日本における企業システムの特徴(日本型経営システム、年功序列賃金、終身雇用制、企業内労働組合)と結びつけてとらえた。こうした企業における「家父長制」が、「労働力の女性化」傾向をどのように押し進め、同時に、この「家父長制」をどのように解体しつつあるのかを問題にした。(社会政策学会「日本型企業社会と家族問題」として報告)。
4.こうした研究の広がりのなかで、これら成果をまとめて、「労働力の女性化」にかんする文献解題目録とともに、経済理論のパラダイムにどのような新たな地平を切り開くかについてのまとめの研究が当面の課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 安川,悦子: "フェミニズムとマルクス主義-「家族」と「労仂」の意味をめぐって-" 社会思想史研究(社会思想史学会年報・北樹出版). 17号. 15-25 (1993)

  • [文献書誌] 安川,悦子: "フェミニズムと女性労仂" 岐阜経済大学論集. 27巻3号. 191-223 (1993)

  • [文献書誌] 安川,悦子: "日本型企業社会と家族問題" 啓文堂(社会政策学第87回大会報告書). (予定). (1994)

  • [文献書誌] 安川,悦子(共著): "明石書店" 女性差別の社会思想史. 390-477 (1993)

  • [文献書誌] 安川,悦子(共): "ユンテ" 女性の解放・社会の解放. 204(6-19) (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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