研究概要 |
1定常時系列プロセスにおけるガウス性の検定問題を扱うために、まず多変量正規分布の特性化をエルミート多項式による変換を用いて行った。そして変換された変量のモーメント構造を検定すべく、対応する統計量の漸近的正規性を示し、それに基づいて包括的検定統計量を構築した。その検定統計量を、対称性のもとでの非正規性を検定する統計量と、非対称性を検定する検定統計量にも分解した。 21で構築された検定統計量の検出力をみるために、多変量の次元と、検定対象とするモーメントの次元の範囲とに関して、シミュレーションを行った。まず,多変量の次元をn=2,3,4とし、モーメントの次元を2として、相関がすべて等しい1/2の場合について、標本数が増加した場合の帰無分布の漸近的カイ2乗性をシミュレーションでチェックした。(n=3等の場合も行ったが 結果が同様であるので論文にはn=2の場合のみ記述) 3時系列プロセスのもとでのガウス性の検定問題に,多変量規性の検定問題の結果を拡張するために,時系列プロセスの定常性に加えて、検定統計量の漸近的カイ2乗性を保証する条件(モーメント統計量が漸近的正規性を保証される条件)と仮定し、エルミート多項式に変換した変量のモーメント構造を把握し、対応する検定統計量を求めた。 4検定統計量の漸近的カイ2乗性を、時系列構造が自己回帰X_t=0.5X_<t-1>+ε_tの場合についてシミュレーションを行った。母集団分布がガウスの場合、もちろん漸近的カイ2乗となるが、検出力をみるためコーシーの場合,指数分布の場合,ガンマ分布の場合,一様分布の場合の漸近的行動をシミュレーションでチェックし,検出力を確認した。 5曲分布族のもとでの多変量正規性の検定問題も行った。これをガウス性の検定問題へと拡張することは今年度(継続)行いたい。
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