継続調査で得られる年齢×調査時点形式のデータ表から年齢・時代・世代(コウホート)効果を分離することによって社会の変動を捉えるコウホート分析法に関して、ベイズ型コウホートモデルを提案し、複数のモデルの中から最適モデルを選択する方法を研究し、分析プログラムを開発した。 1.年齢、時代、コウホート効果をもつ3効果モデルおよび年齢×時代の交互作用効果をもつモデルを開発した。 2.上記の他に、いずれの効果もない無効果モデル、各効果の単独効果モデル、効果を組み合わせた2効果モデルを設定した。 3.以上で設定した計12のモデルについて適当なパラメータの漸進的変化の条件を付加し、ABICによりモデル選択を行なう方法を検討し、提案した。(これについては「平成4年度科学研究費補助金研究成果報告書」にまとめた。) 4.大型計算機およびパーソナルコンピュータ用のコウホート分析プログラムを開発した。 5.実データを分析し、提案した方法の有効性について検討を行った。(これについては、統計数理研究所共同研究リポート41「日本人の意識調査のコウホート分析」としてまとめた。)
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