今年の成果は以下の通りである。 (1).バス事業をとりまく環境の整理と問題点の指摘 地方都市に焦点を含てて、バス事業をとりまく環境を都市毎に整理し、それぞれの都市での今日的な課題を明確にした。そのなかで共通して指摘されたことは「シビル・ミニマムの確立である。 (2).シビル・ミニマムの概念の定義 都市の持つべき公共交通--バス事業--を「全交通トリップに占めるバス・トリップの割合」と定義し、都市環境要因によって決定される「持つべき最小の割合」をバス事業のシビル・ミニマムと定義した。 (3).対象都市の検討と抽出 バス事業のウエイトの高い8都市を詳細に検討し、シビル・ミニマムを検討するための対象都市として、次の3都市を抽出した。 青森市……公営バスの独占している都市として選定。シビル・ミニマムを検討し易い都市としての位置付け 山口市……バスが急激に衰退しているため、シビル・ミニマム以下にある都市としての位置付け。 熊本市……バスが公営と民営で着実にシエアを確保している都市。 (4).シビル・ミニマムの測定方式の検討 シビル・ミニマムを構成する公共交通の供給要因(路線網、交通利便性)と需要要因(地区別人口分布、職業構成、人口構成)により、シビル・ミニマムを測定する定義式を作成した。 (5).定義式の検討 青森市のデータに基づいて、シビル・ミニマムを定義し、その実用性を検討した。
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