本年度(平成4年度)の研究目標として、当初ロシア経済に関するマクロ経済指標およびその関連統計データをできるだけ多く入手・整理し、その一部を公表することに置いたが、ロシアの政治・経済情勢が混迷を極め、研究目標のフォローの作業も困難を極めた。今年度行なった作業は以下の通りである。 1.ロシアの統計資料の入手。 2.ロシアの統計資料の整理。 3.ロシアの全体的な経済情勢の統計資料およびロシアの諸論文による分析。 4.ロシアの経済情勢についての資料および分析結果の雑誌論文への公表。 1.の統計資料の入手に関してはロシア語新聞・雑誌に公表された最新の統計、出版された統計委員会の統計の入手に努めた。 2.については十分な整理作業はできていないが、マクロ経済分析に必要な経済統計資料の整理を中心に作業を行なった。 3.については、1992年にロシア経済が価格自由化を初めとして国有企業の民有化、貿易・外国為替取引の自由化を進め、同時にインフレと生産低下が劇的に進行し、この分析が緊要となったので入手・整理した資料にもとづいて小論文を執筆・公表した。また、1993年3月24〜25日に北海道大学スラブ研究センターに招かれ、私の研究課題でもあり、現時点でのロシア経済における最も重要な問題であるロシアのマクロ経済統計および経済成長率について研究報告を行なった。以上の研究成果の公表、研究報告はいずれも予備的なものである。1992年9月1日〜10月31日の2ヵ月間、日本学術振興会の助成でロシアに滞在し、ロシアの経済情勢とマクロ経済統計について調査研究を進めることができ、私の研究課題について飛躍的に研究を進めることができた。
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