研究課題
名古屋大学理学部の四方義啓教授の開発した位相変分理論を、研究代表者の研究テーマである等長不変測地線に適用して定量的側面からの研究を行った。結果的には、どうしても証明がうまくいかないところがあって、それを乗り越えることが今日までに出来なかった。その点が、クリヤーできれば、これまでに知られている結果の多くは、この方法で得ることが出来る。具体的変分問題に対しては、この四方の理論は適用しやすいという特徴があり、この方法が、有望であることを実証できるのではないかと考えていたのだが、等長変換を、この理論にからませるところが、技術的には適用できるのだが、数学的に証明がうまくいかず、極めて残念である。現在、別の適用例を探すために、カオスやフラクタルを調べている。この方面の研究会に積極的に参加して、情報収集や討論を行い、これからの発展を検討してきた。今のところ、まだ具体的に適用するには到っていないが、少しその方向が見えてきたので、今後、この方向を精力的に追求したいと考えている。また、不変測地線に関しては、これまでの代表者の研究の発展的結果として、測地線の作る部分多様体の非退化性を証明することが出来た。現在、証明をチェックして整理している段階であり、近く、「Nondegeneracy of submonifold of invariant gosdesic」というタイトルで発表する予定である。一方、研究分担者は、それぞれの分野で、研究の進展を得た。