研究課題/領域番号 |
04640114
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 秀一 東北大学, 理学部, 助教授 (90159905)
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研究分担者 |
長谷川 浩司 東北大学, 理学部, 助手 (30208483)
堀畑 和弘 東北大学, 理学部, 助手 (10229239)
板東 重稔 東北大学, 理学部, 助教授 (40165064)
高木 泉 東北大学, 理学部, 助教授 (40154744)
加藤 順二 東北大学, 理学部, 教授 (80004290)
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キーワード | 古典力学 / 函数微分方程式 / 半線型楕円型偏微分方程式 / 変分法 / Yang-Baxter方程式 / ケーラー多様体 / ループ空間 |
研究概要 |
1.積分可能系の研究については、伊藤(研究代表者)が可積分系の特異点における標準形の研究を可積分な正準写像の不動点のまわりでの標準形について拡張し、適当な座標系をとることにより線形部分と可換という「対称性」を持った標準形を得た。また長谷川はYang-Baxter方程式のn状態Belavin解についてその交差対称性を明らかにし、付随する代表の新しい表現の族を構成した。 2.微分方程式の解の安定性に関連して、加藤は無限の遅れを持つ関数微分方程式の解の有界性を研究し、遅れが有限の場合との差を明らかにした。また高木は、生物の形態形成モデルに関係する半線型楕円型偏微分方程式のノイマン問題について、拡散係数が0に近づく時の最小エネルギー解について、最大値をとる点の位置などの漸近挙動について顕著な結果を得た。変分法との関連では、堀畑がQuasi-convexと呼ばれるカラテオドリ汎関数の最小解の滑らかでない部分の評価をハウスドルフ次元を用いて行った。さらに、会田は重要な無限次元空間であるループ空間に対し、その上の微分作用素の性質をWiener-Riemann多様体上のOrnstein-Uhlenbeck作用素を用いて調べた。立沢は、擬微分作用素のModulation spaceにおける有界性をL^2(R^n)の完全正規直交系を用いて研究した。また微分方程式の複素解析的研究として、藤家はある2階のFuchs型作用素の解の特異性が超幾何関数を用いて記述できることを発見した。 3.幾何学的側面からの研究としては、板東がケーラー多様体上の安定ベクトル束のモジュライのコンパクト化を代数多様体の場合と同様に出来ることを発見した。また、納谷はコンパクトなKlein多様体、すなわち球面領域をKlein群の作用で割って得られるコンパクト共形平坦多様体上に、共形構造と両立し、かつ幾何的にきわめてよい性質を持ったRiemann計量を構成した。
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