研究概要 |
1.ラプラス作用素と非線形項から成る半線形楕円型方程式をn次元ユークリッド空間において考える。このとき球対称解の存在とその漸近挙動についての詳しい結果が得られた。非線形項がf(u)=|u|^<p-1>u(|u|(〕 SY.gtoreq. 〔)1),=|u|^<q-1>u(|u|<1),(1<p<(n+2)/(n-2)<q)の形をしている場合を研究した。このとき、すべての球対称解は|x|→∞のとき(i)c|x|^<-(n-2)>または(ii)±c^*|x|^<-2/(q-1)>の様に減衰することが解った。さらに任意の非負整数kに対して0(〕 SY.ltoreq. 〔)|x|<∞に、ちょうどk個の零点を持ち(i)の様に減衰する解と(ii)の様に減衰する解の両方が存在する。2.上記の非線形項よりさらに一般的な非線形項を扱い半線形楕円型方程式のディリクレ問題をn次元の球、円環領域、球の外部、R^nにおいて研究した。このとき任意の非負整数kに対してちょうどk個の零点を持つ球対称解の存在を証明した。3.下半連続な汎関数に関して局所的に準消散的な作用素に対する抽象Cauchy問題の解の一意存在とそれに応ずる半群の理論を用いて,非線形Klein-Gordon方程式,FitzHugh-Nagumoの方程式,2次元Navier-Stokes方程式の抽象論的な弱解の一意的な存在を示し,これらの方程式が統一的な手法で扱えることを明らかにした。4.常微分方程式論で知られている解の一意性を保証する条件を拡張して,従来の(準)消散作用素の概念を一般化した非線形作用素の概念を導入し,そのような作用素に対する抽象Cauchy問題の適切性について,これまで知られている接線条件のもとで解の存在,差分近似解の収束定理など基本的な結果について素直な拡張が成り立つことについて詳しく論じた。
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