研究課題/領域番号 |
04640154
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 哲生 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10127053)
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研究分担者 |
森本 芳則 京都大学, 人間環境学研究科, 助教授 (30115646)
宇敷 重廣 京都大学, 人間環境学研究科, 助教授 (10093197)
藤木 明 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (80027383)
藤家 龍雄 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10026734)
武内 章 京都大学, 総合人間学部, 教授 (40026761)
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キーワード | 複素力学系 / ジュリア集合 / 楕円関数 / 超吸引的不動点 / 安定多様体 / ケーラー多様体 / ドルボー補題 / L^2コホモロジー |
研究概要 |
複素多様体の構造及びその上の解析的写像に関して多くの立場からの研究がなされた。以下その概要を述ベる。 上田は、一般次元複素射影空間で定義された正則写像のiterationの問題、即ち複素力学系について考察した。これは1変数有理有理関数のiterationの理論の自然な拡張となるものである。種々の写像の具体例を考察し、特にジュリア集合が空間全体となるような複素力学系の例を与えた。また、超吸引的不動点の吸引領域の形が楕円関数を用いて表されるような例を与え、ベトヒヤー定理を特殊な型の高次元の超吸引的不動点の場合に拡張した。さらに、ファトゥ集合が正則領域であること、小林の意味で双曲的であることを示し、有限分岐的(critically finite)な写像のジュリア集合が空間全体に一致するための条件を与えた。 宇敷は、一般次元複素ユークリッド空間上の複素力学系の研究を行った。超吸引的不動点が解析的変換によって標準形にできるための条件を求めた。また、不動点の固有値として零と零以外のものが混在する場合には、超安定多様体が存在することを示した。スーパーサドル型のジュリア集合についても、超安定多様体の族が存在することを示した。 藤木は、擬射影多様体上の正則エルミートベクトル束についてL ドルボー補題を示しその局所有界対称領域のコンパクト化の変形および、ケーラー・アインシュタイン計量の存在条件への応用を与えた。
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