位相代数上の調和解析

1992 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 04640176
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 岡 幸正 熊本大学, 理学部, 助教授 (50089140)
• 研究分担者: 高田 佳和 熊本大学, 理学部, 助教授 (70114098) ; 神島 芳宣 熊本大学, 理学部, 助教授 (10125304) ; 村田 實 熊本大学, 理学部, 教授 (50087079) ; 山元 淳 熊本大学, 理学部, 講師 (50040100) ; 櫃田 倍之 熊本大学, 理学部, 教授 (50024237)
• キーワード: 作用素環 / 非可換力学系 / C^*-力学系 / 不変状態 / エルゴード性 / 状態の可換性

研究概要

作用素環論とエルゴード理論との関係は古くから良く知られているが、作用素環の双対性定理、構造定理の発見によって再びその関係、特に、力学系のスペクトル解析的測面における関係の重要性が浮上してきた。また、作用素環論と数理物理学との関係も非可換力学系のスペクトル解析の重要性を示唆している。これらは一般の非可換力学系のスペクトル解析として解釈、位置付けることができる。本研究は、作用素環の位相代数的構造、表現論の力学系による解析および関数解析的手法の開発、また、エルゴード理論など他分野の力学系解析の手法による非可換力学系の解明を中心の課題として始められた。
本年度は次のような成果が得られた。
(1) C^*-力学系上の不変状態に対する巡回表現の可換子環の不動点部分環の可換性を特徴付けた。すなわち、この力学系に自己同形群として作用する群に関する不変状態の弱可換性を導入し、また、不変状態に対応する表現空間のある閉部分空間に着目することによって、不動点部分環が可換であるための必要十分条件を得た。
(2) C^*-力学系のコンパクト群による拡大であるC^*-力学系上の不変状態のエルゴード性をスペクトル条件によって特徴付けた。すなわち、この不変状態のエルゴード性が対応する表現空間におけるユニタリー表現に対する固有値の重複度によって判定できる。
この結果の発表のための論文を現在準備中である。

研究成果

• [文献書誌] HITSUDA,Masuyuki: "Gaussian innovations and integral operators" Proceedings of the Sixth USSR-Japan Symposium:Probabilith theory and Mathematical Statistics.Ed by A,N.Shiryaev. 出版 World Scientific. 125-131 (1992)
• [文献書誌] MURATA,Minoru: "Uniform restricted parabolic Harnack inequality,separation principle,and ultracontractirity for parabolic equations" Proceedings of the Internatinal Conference on Functional Analysis and Related Topics,1991 Ed by H.Komatsu,Lecture Notes in Math,Spriuger. (1992)
• [文献書誌] TAKADA,Yoshikazu: "A sequential procedure with asymptotically negative regret for estintating a normal weau" The Annals of Statistics. 20. 562-569 (1992)
• [文献書誌] TAKADA,Yoshikazu: "Uniformly most accurate equivariant prediction limit" Metrika. 40. 51-61 (1993)
• [文献書誌] KAMISHIMA,Yoshinobu: "Deformation spaces on geometric structures" Advanced studies in pure math.Aspects of Low Dimeusional Manifolds. 20. 263-299 (1992)
• [文献書誌] KAMISHIMA,Yoshinobu: "Completeness of Lorentz manifolds of constant curvature admitting Killing vector fields" J.Differential Geometry. (1993)