研究概要 |
E.C.TitchmarshやA.N.Kolmogovは実函数論や確率論における研究上の必要性から、Q積分あるいはA積分と呼ばれる特異積分の概念を導入したが、我々はこれらを拡張したERν積分の定義を与えその研究を重ねてきた。今年度の研究テーマは、このERν積分を級数の総和法に応用することである。 すなわち、無限級数Σa_nに対して区間〔0,∞〕において定義された函数f(x)を f(x)=a_n(xε〔n,n+1〕,n=0,1,2,・・・) によって定め、f(x)がErν積分可能であって積分値がsに等しいとき、この級数はsにERν総和可能であるといい、Σa_n=S(ERν)と書く。ここに、νはLebesgue測度と互いに同値な測度であってパラメーターとして働く。 一方、例えばCes〓ro総和法では級数Σa_nが(C,1)総和可能であればa_n=0(n)でなければならない。つまり、a_n≠0(n)であるようなあまりに速く発散する級数は総和不可能である。このような結果が各種の総和法について知られており、これらは制限定理(limitation theorem)と呼ばれている。本研究では、上記ERν総和法に関する制限定理について研究した。得られた成果の一部は別記の論文に発表している。
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