研究課題/領域番号 |
04640209
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
名取 亮 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (70013745)
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研究分担者 |
今井 仁司 筑波大学, 電子情報工学系, 講師 (80203298)
北川 高嗣 筑波大学, 電子情報工学系, 講師 (60153095)
稲垣 敏之 筑波大学, 電子情報工学系, 助教授 (60134219)
池辺 八洲彦 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (10114034)
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キーワード | 大規模連立一次方程式 / 大型疎行列 / 行列の固有値問題 / ランチョス法 / ブロックランチョス法 / 不適切問題 / 前処理付共役勾配法 / 正則化法 |
研究概要 |
スーパーコンピュータや並列コンピュータが発達し、計算能力が増大するにともない、数値シミュレーションの規模も大きくなっている。現象をモデル化すると、偏微分方程式で表現されることが多い。偏微分方程式は有限差分法や有限要素法などを用いて離散化される。その結果、大規模な連立一次方程式を解いたり、大型疎行列の固有値を計算したりする問題に帰着される。本研究では、それらの問題を高速に解くためのアルゴリズムについて研究した。 1.大規模な連立一次方程式を解くためのアルゴリズムとしては、係数行列が疎行列であるという性質に着目して、前処理付共役勾配法の系統の方法について研究した。とくに本年は、非対称行列に対する安定なアルゴリズムとして知られているBiCGSTABを取りあげて、解法のいろいろな性質について検討した。前処理のしかたによる変化についても検討した。 2.大型疎行列の固有値の計算については、ランチョス法について引き続き研究した。とくに本年は重複固有値をもつ場合に適用されるブロックランチョス法について研究した。ランチョスベクトルの直交性の崩れを検出して回復するための再直交化に関しては、新しい方法を開発することができた。しかし、さらに改良が必要である。 3.以上の問題を並列コンピュータで効率よく処理するためのテクニックについても、予備的な研究を行った。 4.数値シミュレーションに現われる不適切問題を安定に解くためには正則化法が必要である。従来提案されているいろいろな正則化法について比較検討を行った。Lカーブを利用する新しい方法を考案した。 他の方法に比べて優れた点が多いことを確認している。
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