研究課題/領域番号 |
04640226
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
楠岡 成雄 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00114463)
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研究分担者 |
永田 雅嗣 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (70115905)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (50134466)
山崎 泰郎 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (50027364)
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キーワード | 複素ウィナー空間 / ドルボーコホモロジー / 擬凸領域 / 確率微分方程式 / シーフ |
研究概要 |
無限次元多様体上でドルボーコホモロジーを考えるということは、場の量子論における超対称モデルから示唆される新しい問題である。本研究では、この問題の研究の出発点として、自由場に対応するもっとも基本的な対象である複素ウィナー空間の上で正則関数の概念について、ホッジ理論のような調和積分論的な観点から研究を行った。研究で明らかになったことは以下の通りである。 1.複素ウィナー空間において関数の新しい正規性の概念を与え、これに基づき擬凸領域の概念を与え、その領域でドルボーコホモロジーが消滅していることを示した。 2.複素ウィナー空間の擬凸領域上定義された正則関数は全域で定義された正則関数で近似できることを示した。 3.擬シーフの概念を導入し、ドルボーコホモロジーと正則な微分形式全体の作る擬シーフのチェックコホモロジーの同値性を示した。 4.整関数を係数とする複素確率徴分方程式を考え、その存在領域が擬凸であることを示した。さらに、それから決まる複素ウィナー空間から複素ヒルベルト空間への写像に対して、1〜3で述ベたことが適用できることを示した。 無限次元複素多様体の重要な例としてループ群があるが、これに対して上記で述ベた理論が適用可能かどうかは残念ながら今後の課題として残された。また、複素ウィナー空間の中の複素超曲面に対しても上記の理論の対応物が構築できると思われるがこれも以後の課題となった。
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